遅読家のための読書術

情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣
積ん読解消!月20冊があたり前になる。
「1ページ5分」から「年間700冊超」へ!!
人気のウェブ書評家が明かす全メソッド

約一年の読書断食期間を経て再び読書熱。
そのスタートとして手にとった。
いい本に出会った。
とくに本を読むのが遅い人には、世界が変わる一冊かも。
フォトリーディングを読んでも
どうしても精読がやめられないタイプの人におすすめ。


●音楽を聴くように本を読む

・自分の中に入っきた音を「知識としてため込もう」とするのではなく、音が自分の中を通り抜けていくこと自体が心地いいのです。
・たとえどんなに音楽を聴き流していたのだとしても、やはり「残る音」はあるはず
・音の配列をすべて記憶しているとか、楽器で完璧に再現できるとか、歌詞を暗記しているといったことは、音楽を聴く本来の目的ではないはず。そうではなく、聴いた結果として自分の中に生まれたものが、その音楽の根本的な「価値」なのです。

この、音楽との対比はとてもわかりやすい。
確かに、音楽を「この音を聞き逃した!」といって巻き戻すことはないし、
そもそも全体像として楽しむのが音楽。
本だってそれと同じでいい。
●熟読の呪縛

・「熟読の呪縛」の発端は、おそらく学校教育にあります。「本を読むという行為は、著者の意図を一字一句、正しく理解し、それを頭の中に写しとることである」という不文律を植えつけられてしまっているのです。
・熟読の呪縛にとらわれている人は、まるで教師の解説や板書を逐一ノートに書き写す生徒のように、本の内容をせっせと頭にコピーしようとしている。
・長時間かた熟読というのは、単位時間あたりの読書の密度が低いうえ、その本の全体像が見えづらくなりますから、非常に「薄い」読書体験しか提供しません。
・どんな本を読むときも、「ありがたいお話を一言一句たりとも聞き逃すわけにはいかない!」というような気持ちではなく、もっと自分本位でわがままに本と向き合っていただきたいのです。

とくにこの「ありがたいお話」ではないというところ、ここがイチバン心に刺さった。
確かに、今は誰でも本がかける時代。
古典を別とすれば、本そのものの価値は昔とは違う。
いわば、ブログの延長みたいなもの。
どんな背景があるかもわからないそこらのにーちゃんネーチャンオジサンオバサンの話を
三時間もかけて全身全霊をかけてノートをとりながら「聞き漏らすまい」なんて対応はしない。
なら本だって同じ。著者を崇め立てるような読書がいかに無意味なことか。
本当に尊敬する人、私淑する著者の本というものを精読するならわかるけど、
情報収集としての読書にそこまでの時間コストを費やす意味はない。
●OUTPUT

・なお、引用するときは、「段落丸ごと」などではなく、なるべく短く、数行に収まるような分量がいいと思います。
・その中から「もっともすばらしいと思った引用」を1つだけ選ぶようにしましょう。「自分がこの本を読んだ価値のすべては、この1行に集約されている」といえるような部分です。
・いくら線を引いても、本の価値は「外の世界」には出てきません。本のエッセンスだけを「本の外側」に抽出しておかない限り、その流し読みは、本当に価値のない時間になってしまうのです。

このBookQuest自体がOutputなわけだけど、
確かに引用をもっと絞り込んだ方がいいなと思った。
●選び方

・リアル書店がプッシュする商品はどうしても新刊や売れた本が中心になりますが、逆にいえば、世間のトレンドを強く反映した棚づくりがされているということです。いまどんなことが話題になっているのか、世の中の人はなにに興味があるのかを知るうえでも、書店の店頭ほど便利な場所はないように思います。

熟読の呪縛、崇め立てる価値観を乗り越えるために、
ちょっと本屋に言ってフロー・リーディング、フォト・リーディング用に
何冊かまとめて買ってこようかな。