女は男のどこを見ているか

いろいろと話題を呼んだ岩月さんの本二冊目。
この本は、確か神田さんがどこかで参考図書としてあげていたので手にとってみた。


全体的にやや冗長、かつ感情的な印象を受けるのは否定できない。主張はこの1/3ぐらいの頁数でもいえてしまうような気がする。
特に後半は、もしかして著者自身の過去のつらい経験なのだろうか、何らかの男性に対する怒りの裏返しなのだろうか?という印象をうける。
ただし、男性に必要な「英雄体験」とその意味・必要性について、ジョセフキャンベルの神話の法則なども引用しつつ触れられていて、興味深い。(スターウォーズ、ダンボ、スタンドバイミーなどについても)
批判は意味がない。
自分に必要なところだけ、拾えばよいのだ。
自分に役に立てば、それでいいのだ。
以下目に留まったフレーズなど

●女性が求める智恵。(知識との違い)
・女性が男性にもっとも頼りたいことこそ、判断や決断のために必要な智恵であり、自分にかけられた呪いをとくための智恵。
・女性は、男性とは質の違う種類の智恵はもっているけれど、男性が英雄体験を通して得る類の智恵(自分にかけられた呪いをといてもらうための智恵)をもつことがむずかしい。
・決断する時に困るのは、情報は充分なのに。それをどう考えていいかわからないから。智恵があれば、問題点を整理し、過去の経験から結論ほ出すことができる。女性は、こういう思考作業は苦手。女性はもっぱら、ホンモノを見抜くため、特に、「いい男」は誰かを見抜くためには発達しているが、そのほかの事柄に関して決断することは苦手。
●女性にかけられた「幸せ恐怖症」という呪い
・白雪姫の原作では、継母ではなく、実母が嫉妬することになっている。
●女性が愛を感じる時
・女性が愛を感じる時というのは、「夫(恋人)から幸せを願われている」「夫(恋人)は、自分が楽しく生きているかどうかに重大な関心をもっている」と感じる時。
●厄年
a) 厄がつく年だから気をつけなければならない
b) いい役がつく年。つまり過去の努力が実っていいことがある年
●英雄体験
・経験が豊富であるとか、知識が豊富である、というだけでは女性の求める智恵は身につかない。英雄体験をしてこそ、知識が智恵に変わる。
・自信と誇りは、行動することで身につけるもの。
・お城の中に閉じ込められているお姫様を男の子が救いに行くというパターン・ストーリーは男性にたいへんウケる。だからゲームソフトにこの種の物語は少なくない。男性にウケるのは、現実世界でも同じことが起こっているから
・ただしテレビゲームをいくらしても、それは英雄体験にはならない。テレビゲームに熱中する多くの少年たちは、英雄体験をすべき時間を失ってしまう危険がある。英雄体験をしたような気分になってしまって、現実世界で英雄体験をしようとしなくなる恐れがあるから。
・女性は愛だけあれば充分なのに、男性は智恵も勇気も必要
・勇気というのは、自分の呪縛と闘った人だけが、いざという時に発揮できるもの。
・男性は、自分や友達にかけられた呪いや呪縛をとく時に得た智恵で、自分の恋人や妻にかけられた呪いをとく。
●英雄体験に必要な資源(友情/励ましあい)
・特に中高生から大学生くらいまでの間に、本当の友情を温めることをしないと、いざ、英雄体験をしようとしても、元手となる最低限度の智恵や勇気が欠如したままとなり、できなくなってしまう。
 だから、中高生から大学生の頃に恋人がいることは悪いことではないが、女の子とベッタリつき合って男の子との友情を温め合う時間がなくなるとすれば、それは男性にとってきわめて大きな損失。
・「がんばれ!」というかけ声だけでは励ましにならない。ゲームを理解している人が応援するからこそ、応援に迫力が出てくる。勝っているのか負けているのかもわからない人が、ただやみくもに「がんばれ!」「がんばれ!」と応援しても効果がない。
●セックスに感じるもの
・男性は、女性が直感的に男性の過去のすべてを見抜くことを知っているからこそ、怖くなる。彼女の見ていないところで、老人や子どもにやさしくしてきたかどうか、年長者を敬ってきたかどうか、何事にも誠実に取り組んできたかどうか、智恵と勇気はあるかどうか、そうした過去のすべてがデートやセックスで女性に見抜かれるので怖いのです。
・「いい女」は、男性の本質を直感的に見抜き、気持ちいいとか気持ち悪いと感じる。
・自慰をしている時の快感と、セックスをしているときの快感の大きさを比較すると、真実がわかる。女性の側に幸せ恐怖症がない限り、正確な指標になる。
 もし、男性に愛と智恵と勇気があれば、女性は、自慰をするよりも何倍もの大きな快感が得られる。だから、女性のほうがセックスに対して積極的になる。