話を聞かない男、地図が読めない女 の続編。
前作「話を聞かない男、地図が読めない女」は、
あらゆる心理学本・あらゆる恋愛本から引用されるバイブル級の必読書。
続編があったことを知り、さっそく購入。
こちらも非常にわかりやすく、そして笑いながら読めた。
男女だけでなく、子どもを育てる上でも役立つ内容もたっぷり。
妻と夫の一ヶ月の行動評価を点数にしたところは、非常に興味深い。
この部分だけで、男女の違いがとてもよく理解できる。目からウロコ。
ほかにも付箋をはったところはたくさんあるけれど、
その中のいくつかを以下に。
●男の不満
女が口うるさくなるのは、何かを求めているしるしだ。その何かとは、いつも尽くしている家族から認められることだったり、より良い人生に踏みだすためのチャンスだったりする。母親が文句ばかり言うのは、自分のやっていることを認めてもらいたいのに、きちんと評価されないからだ。口うるさい女に対しては、毎日家事をこなしていることをきちんと認めてやれば、がみがみ言われることはなくなる。
男はやることなすことにケチをつけられると、去勢されたように感じる。妻の叱責を聞いていると、母親にお小言を言われているみたいで腹が立ってくる。そうなると妻が母親に見えてきて、性的魅力を感じるどころではない。
女は男から料理の本をプレゼントされると素直に喜ぶが、男が自己啓発本を女から贈られたら、いまのオレでは不足なのかと憤慨する。また、夫婦関係を改善するセミナーを受けたり、カウンセラーに相談することも、男は激しく抵抗する。それは、セミナーやカウンセラーが必要だと言われること自体、いまの自分がまちがっていると指摘されるに等しいからだ。
逆に言えば、愛すべき妻は絶対にこの地雷を踏まない。
●女は男のどんなところにいらいらするか
1. どうして男は、何にでも解決策を出してアドバイスをしたがるの?
2. どうして男は、リモコンでせわしなくチャンネルを変えるの?
3. どうして男は、道に迷っても素直にたずねられないの?
たった1個の受精卵を作るのに、どうして精子が400万個も必要なの?
どの精子も道を聞こうとしないから。
4. どうして男は、トイレの便座を上げたままなの?
5. どうして男は、女の買い物に付きあいたがらないの?
男といっしょに買い物をするときは、いくつかコツがある。
スーパーマーケットでは、ショッピングカートはかならず男に押してもらおう。
男は「運転」が大好きだからだ。
6. どうして男は、ところかまわずおならをするの?
7. どうして男は、下品なジョークがすきなの?
●食事までの15分の違い
男「15分あるのか! 食事の前に静かに考えごとができるな」
女「15分あるわ! 食事の前にひと通り話しができるわね」
●男をめぐる七つの謎
1. どうして男は、友達の私生活について何も知らないの?
2. どうして男は、相手をひとりに決めたがらないの?
3. どうして男は、何でも自分が正しくないと気がすまないの?
4. どうして男は、いい年になってもおもちゃに夢中なの?
5. どうして男は、一度にひとつのことしかできないの?
6. どうして男は、あんなにスポーツ好きなの?
男の子がボールを蹴ったり追いかけたりするのは、「狩り」の再現である。
男にとって、お気に入りのチームに入れあげることは、
原始時代の狩猟集団にふたたび加わるのと同じことだ。
7. 男はトイレでいったい何の話をしてるの?
男性の私としては、こういう疑問が出ること自体、驚きだった。
そうなのか…。メモしておこう。
●嫁と姑の関係の改善アイデア
垣根を作るというのは、基本的なルールと境界を定めて、それを破らないでほしいと他人に告げることだ。
子育ての方針に関してはリチャードと二人で決めるから、とはっきり言わなければならない。
Mother-in-law(義理の母)を並べかえると、Woman Hitler(女ヒトラー)になる。
垣根 = 境界設定が非常に大切だ。これを踏み越えると問題が発生するし、
この境界認識があやふやな人が、人間関係の問題を起こす。
●男性が女性に感じる性的魅力
身なりに気をつかわないのは、夫をないがしろにしている証拠だ。男は視覚の生きものだ。
花が美しいのには理由がある。鮮やかな色彩の花は、動物や虫たちに自らの存在を示している。栄養源がここにあり、いまが食べごろだと伝えているのである。男も女も、生物学的なレベルで相手のシグナルに反応するよう脳がしっかり配線されている。だから美しいことと、性的魅力があることは、基本的に同じなのだ。外見が優れていれば、健康で病気に縁がなく、生殖にふさわしいと脳は解釈する。だから、あの人は美しいとか、魅力があると評するのは、裏を返せばセックスしたいと言っているのと同じことだ。
この世に醜い女はひとりもいない、いるのは怠慢な女だけだ – ヘレナ・ルビンシュタイン
雷が鳴って雨が降ってきたからといって、天気を恨んでもしかたがない。むしろいまの天気を受けいれて、傘やレインコートを用意すれば、外にだって出かけられる。家に閉じこもって、不満ばかり漏らしていても何も変わらない。外見に惑わされるのが男の習いなのであれば、それをやっつけるのではなく、うまく利用するすべを学ぼう。
偏狭で排他的なフェミニストは、この辺のことがわかっていない。
性差について、極端に、感情的に批判する人は、
天気を恨んでいるのと同じことなのだ。
●男がそそられる身体的特徴(魅力の大きい順)
1. 引き締まった身体つき
2. 官能的な唇
3. 豊かな乳房
人類の祖先がまだ四つんばいで歩いていたころは、後背位で交尾していたので、肉づきのよい丸い尻がオスを惹きつける要因になっていた。その後直立歩行に移ってからは、正面から近づいてくるオスを惹きつけるために、乳房が大きくなったのである。寄せて上げるブラジャーをつけ、衿ぐりの大きく開いた服で胸の谷間を強調するのは、お尻の割れ目の再現だ。胸の谷間とお尻をアップで撮った写真を見て、ちゃんと区別できる男はほとんどいない。
4. 長い脚
5. くびれたウエスト
6. 丸みのある尻
7. 魅力的な目
8. 長い髪
9. 小さい鼻
10. 平べったい腹
11. 弓なりの背中
12. ふつくらした恥丘
13. 長い首
●女がそそられる身体的特徴(魅力の大きい順)
1. 引き締まった身体の線
2. がっしりした肩と胸
3. 小さくて締まった尻
筋肉の発達した堅い尻は、実はセックスのとき前後に強く腰を振るのに不可欠なのだ。太った男や、尻がたるんだ男はそれができず、身体全体が前のめりになる。しかし女にしてみると、男に体重をかけられると苦しくてたまらない。
4. 豊かな髪
5. 官能的な唇
6. 優しそうな目
7. はっきりした鼻とあご
8. 細い腰
9. 鍛えられた腹筋
10. 大きいペニス
11. 無精ひげ
●女が望む男
女は物腰がやわらかく、優しく理解があって、話もたくさんしてくれて、でも強くてたくましい男を求めている。でもそんな男は、とっくにゲイの世界に行っている。
ダンスは女にとって前戯と同じことだから、ぜひ習うべきだ。
●子育てについて
親が子どもに使う心理的脅迫(泣き落とし)
「あなたのためを思ってやったことなの」
「おなえなんか、うちの子じゃない」
「どうしてそんなことをするの?私の血を分けた子どもなのに!」
どんな脅迫も、被害者が要求を飲まないかぎり成りたたない。つまりほんとうは、被害者のほうが立場は強いのだ。
親は子どもに対して、正直がいちばんだと諭すくせに、誕生日プレゼントが気にいらなくても、うれしそうな顔をしろと言う。つまり子どもは、嘘について、矛盾するメッセージを受けとっているのだ。それは子どもの行動にも重大な影響を及ぼす。
このあたりについては、カールヴィッテの父親の対応が参考になる。
●その他
ごもっともという表現は、話し手が聞き手のことを少しも尊重しておらず、それどころか軽蔑していることを表している。