子どもの頭脳のはたらきはどんな食事をとるかで変わる
子どもを持つ全ての親が読んでおくべき一冊だと思う。
怒ったり叱ったりする前に、まずは食事を改めるべきだろう
という人は、確かに多そう。
●大原則
・ほとんどの人が知らないもっとも大きな真実のひとつは、子どもの心に影響をおよぼす栄養素のはたす役割である。脳を最適な栄養状態にすることは、子どもの気分を改善するだけでなく、人生で避けることのできない山や谷を乗り越えるためのエネルギーを与え、やる気も引き出すのにも役立つ。もし脳が生化学的に整備されていれば、子どもにとってどんなによいだろう。残念なことに、この事実を知る心理カウンセラーも小児科医も医師も日本にはほとんど存在しない。
義務教育で教えられていることは、
ライフスタイルの変化には追いついていないのだろうな。
今までは何も心配することなかった問題が、次々と問題となるのは、
こういう重要な事実を知らない大人がとても多いからだと思う。
大人の再教育が必要だ、という一つの事例だ。
だからこそ自分は、その分野のビジネスを、する。
●血糖値の安定が第一
・血糖値の不安定さと攻撃的な行動には密接な関係がある。低血糖は、子どもが砂糖、精製デンプン、または刺激物を食べたときに起こりやすい。もし、子どもの行動が安定していないなら、血糖値が安定しているかどうかを考慮する価値がある。
・256人のADHDの少年の栄養状態を調査したところ、その76%は血糖値が不安定であることが確認されている。
・ドリンクは、子どもの脳を興奮させるのである。子どもの飲もうとする清涼飲料水のラベルを注意して観察しよう。そして、カフェイン、砂糖、合成着色料、安息香酸ナトリウム(保存料)、ブドウ糖果糖液糖を含んだものを避けるのがよい。
低血糖、ビタミンミネラル不足、アミノ酸不足。
この3つをどうにかするだけでも、
子どもたちも大人たちも、みんながハッピーになれそう。
儲けのために体に悪いものでもセールスする企業と、それをうけて、
何も考えずにそれに対してお金を払い続ける消費書双方の責任だ。
情報リテラシーとか、いってみれば健康に関する知識が、なさすぎるってこと。
どうにかしなきゃ。
●ブドウ糖果糖液糖
・砂糖に関して最悪なのは清涼飲料水だ。
・そして、フルーツ風味の飲料には必ず砂糖やブドウ糖果糖液糖がタップリ含まれているので、摂取を避けてほしい。
・喉が渇いたら、清涼飲料水ではなく真水を飲むことにしよう。清涼飲料水には、砂糖よりもさらに悪いブドウ糖果糖液糖という甘味料が大量に含まれているからだ。
・ブドウ糖を飲んだ子どもと食事抜きの子どもは、全粒シリアルを食べた子どもに比べ、注意力と記憶力が落ちていた。それから、栄養豊富な食事をとっている子どもは、睡眠の質が高いことが判明している。
・この原則には例外がある。あなたの子どもがサッカーや野球など、相当に激しいスポーツをした後には甘いものを食べるのがよい。それは、血糖値が下がったからだけでなく、筋肉や肝臓に蓄えられていたグリコーゲンが消費され空の状態になっているからだ。余分なブドウ糖は、空になったグリコーゲン倉庫を満たすのに使われるので、高血糖にならないからである。
ブドウ糖果糖液糖に特に注意、だ。
一部の例外をのぞくと、これらが必要なシーンはほとんどない。
ヤクルトも、ほとんどブドウ糖果糖液糖と砂糖なんじゃないかと、
最近ちょっと、疑いはじめて見直しつつある。
●砂糖
・子どもがコーラ、クッキー、菓子パン、モチなどのクイックカーボを摂取すると、血糖値が急激に上昇する。血液中のブドウ糖レベルが高くなると、血管にダメージを与えるだけでなく、過剰のブドウ糖がタンパク質にドッキングし、その後に発生する活性酸素が神経細胞にダメージを与える。
・校内からジャンクフードの自販機を撤去し、カフェテリアのメニューを脳の健康によいものに置き換えたところ、子どもの行動や学業成績が向上し、全米の注目を浴びている。
・また別の研究から、年齢に関係なく、砂糖やダメージを負った脂肪などを摂取すれば、学習と行動に障害をきたすことが証明されている。
・子どものIQを比べた。その結果、砂糖や精製デンプンをいちばん多く摂取する群は、もっとも少なく摂取する群に比べて、IQが25ポイントも低かったのである。子どものIQを高めるためにまず第一にすべきは、白パン、甘いシリアル、菓子パン、ケーキなどの精製デンプンや砂糖タップリの食べ物を子どもから遠ざけることだ。
大人が食べてしまうから、それを見た子どもが欲しくなってしまう。
そして友達が食べてしまうから、自分も食べたくなってしまう。
この悪しき環境から抜け出るためには、
意識の高い人たちだけが集まる場所に避難するしかないのか。
それとも・・・。
●果物はOK
・果物に含まれるおもな糖類は、果糖である。果糖は小さな分子なので、食べてすぐに吸収され血液中に入るが、肝臓がこれをブドウ糖にモデルチェンジするのに時間がかかるため、単糖類にもかかわらずスローカーボに分類されている。
・リンゴは加藤が多いのでスローカーボだ。バナナはどちらも含んでいるため、わりと迅速に血糖値をあげる(どちらも=果糖とブドウ糖)
バナナよりはりんごやもも。
子どもには、フルーツはたくさん買ってあげたい。
たまにフルーツ食べ過ぎを心配する人がいるけど、
そういう人に限って、ブドウ糖果糖液糖入りジュースと白米をたくさん食べてる。
●着色料と保存料
・3歳児と8〜9歳児297人に合成着色料と安息香酸ナトリウムのミックスを含んだジュースを6週間飲んでもらった。その結果、3歳児と8〜9歳児のどちらのグループも、着色料と保存料を含んだジュースを飲んだとき、注意力のスパンが短くなった。健常な子どもでも合成着色料と安息香酸ナトリウムを摂取すると、多動が発生するのである。
今まで着色料や保存料の何が悪いのかよくわかってなかった。
これ、知らなかった。ちょっと気をつけてみてみよう。
●カフェインの他の興奮剤
・チョコレートには砂糖とテオブロミンという興奮剤が大量に含まれているので、子どもが食べるのは特別な日だけに限定すべきで、日常、子どもに食べさせてはいけない。目安は、1週間に一度である。また、幼児に大きなキャンディを与えてもいけない。チョコレート依存症を撃退する最善の方法は、一ヶ月間、チョコレートを一切食べさせないことだ。
・コーヒーには、カフェイン、テオブロミン、テオフィリンといった3種類の興奮性物質が含まれている。テオフィリンも正常な睡眠を妨げる。
・たとえ「カフェイン抜き」のコーヒーとうたい、カフェインが含まれていないとしても、カフェインにソックリの興奮性物質が含まれているのである。
カフェインだけじゃないのか・・・
これは騙されていたかも。
カフェインレスだからいいと安心してはいけないな。
●脂肪酸の重要性
・赤ちゃんや子どもの脳の成長において、特筆すべき栄養素が脂肪だ。脳の大部分は、脂肪でできているからだ。脳から水分を除いた重さの60%は、脂肪なのである。例えば、DHAやEPAなどの脂肪酸は、脳の20%を占める。胎児期や赤ちゃんのときに、これらの重要な脂肪が不足すれば、知能や行動の発達に悪影響をおよぼすのは確実である。
・オメガ3の代表は、αリノレン酸、EPA、DHAである。
・生体ではαリノレン酸→EPA→DHAのモデルチェンジの効率が低いため、菜食主義者はEPAやDHAが不足しやすい。これを補うために、彼らはαリノレン酸の豊富な、シソ油やアマニ油を大量にとっている。
・EPA、DHAを十分に摂取するコツは、青魚を積極的に食べるのがいちばん。青魚を使った料理を週三回、食卓に並べてみよう。シソ油やアマニ油をサラダにかけて食べるのもよい。
・鶏卵にはコレステロールや脂肪が多い。だが、そもそもコレステロールの八割は体内でつくられているのである。コレステロールをたくさん摂取すれば生体はコレステロールを少なくつくり、少なく摂取すれば生体は多くつくるのである。科学的に信頼できる多くの研究がこのことを証明している。鶏卵は安価に入手できる、「スーパーブレインフード」なのである。
・同じ青魚でもマグロなどの大きな魚には注意が必要だ。なぜかというと、食物連鎖の上位にいる大きな生物は、体内にメチル水銀が高濃度に蓄積しているからだ。だから、イワシ、サバ、サンマ、アジなど、比較的小振りな魚からDHAをとるのが安全である。おいしいからといって、マグロばかりを食べないで、安価な青い背の小魚を中心に食べるのがコツだ。
・2日に一度、DHAを多く含んだイワシ、サバ、サンマ、アジ、ブリ、マグロ、サーモンなどを食べるとよい。
・一日に必要とされるオメガ3は約2グラム。サンマやサバなら一匹。キングサーモンやマグロのトロの刺身なら、5切れ(50グラム)食べればいい。昔から魚をたくさん食べている、私たち日本人は、知らず知らずのうちに魚から恩恵を受けてきたのである。
3.11以降、放射能汚染が心配で、海産物が食べられなくなってきた。
現代では、魚に替わる摂取方法を考えなくちゃいけないな。
するとやはり、ベジタリアンのしているような、シソ油かアマニ油をメインに、
魚ならアトランティックサーモンあたりを狙う感じかな。
●トランス脂肪酸
・要するに、トランス脂肪酸は「狂った脂肪酸」である。この狂った脂肪酸は脳に運ばれ、しかもDHAのすぐそばに入り込み、神経細胞の膜の正常なはたらきを妨げるため、脳の思考プロセスを混乱させる。
必要な脂肪酸の摂取が減り、狂った脂肪酸ばかり体に入れているわけだから、
人間が馬鹿になっていくのは必然という感じ。
陰謀論者に言わせたら「これは国家的な陰謀なんじゃないか」ってなりそう。
●アミノ酸
・子どもの脳を快適運転する秘訣は、良質のタンパク質、すなわちアミノ酸を十分に与えることである。
・伝達物質は、脳内で神経細胞から神経細胞へと「情報」を伝えるメッセンジャーである。困ったことに、このメッセンジャーの不足がたびたび起こる。このとき、うつ、無気力、緊張によるリラックス不足、不安、記憶障害、集中力の欠如、多動などが発生する。これらすべての症状は、アミノ酸をサプリメントで摂取すれば改善する。たとえば、トリプトファンは、ベストの抗うつ薬の一つとされるプロザックよりも効果的だ。チロシンはストレスを緩和し、ギャバは脳の過剰な興奮を抑え、不安を取り除く。あなたの子どもの脳にとってアミノ酸はかけがえのない友なのである。
・体内で合成されるアミノ酸は全部で20種類あるが、そのうち11種類は体内の酵素によって他の栄養素のモデルチェンジでつくることができる。だが、どうしてもつくれないものがある。それが、必須アミノ酸と呼ばれるもので、トリプトファン、リジン、スレオニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、ヒスチジンの9種類である。
今にして思えば、自分が19,20の頃に陥った状態というのは、
アミノ酸不足による一種のうつ状態だったのかもしれない。
数年間、菜食主義にしていたから、おそらくタンパク質が足りていなかったのだ。
こういうこと、もっと早く知っておきたかった。
ま、あの数年間は、文学的で繊細な、研ぎ澄まされた感覚とつながれたので、
いい思い出ではあるけれど。
●気分障害対策
・一口にうつと言っても、「みじめな気分」になるものと、「やる気の消失」の2種類がある。
– 幸福な気分にするセロトニン(幸福物質)の不足による「みじめな気分」
– やる気を生み出すノルアドレナリンやアドレナリンの不足による「やる気の消失」
ノルアドレナリンやアドレナリンはドーパミンを経由してつくられるので、やる気が出れば、快感がえられる。逆に、やる気が出なければ、快感もえられない。
・私たちの多くは一日のうち23時間は室内ですごし、150〜1000ルクスの光を浴びる。一方、屋外で日光にあたれば、晴れた日で50000ルクス、曇りの日でも20000ルクスの光を浴びる。要するに、私たちの大多数は、セロトニンをつくるのに十分な日光を浴びていないのだ。
・トリプトファンリッチの食べ物は、魚介類、鶏卵、豆腐、納豆、オート麦、ピーナッツ、バナナ、アーモンド、チーズなどである。
・サミーは気分を高める効果があるため、アメリカで大人気のサプリメントである。わが国では医薬品に分類されている。要するに、サミーとTMGは、脳内の伝達物質のバランスを保つのに必須の生化学反応であるメチル化を推進するのである。抗うつ薬の効果があらわれるまで3〜4週間かかるが、サミーの効果は5〜6日であらわれる。しかも、サミーにはこれ(副作用)がほとんどない。それもそのはず。サミーは、体内でビタミンB12の協力ををえて必須アミノ酸のメチオニンにエネルギー物質ATPがドッキングしてできる天然の物質なのである。だから、メチオニンとB12リッチの食べ物を食べれば、体内でS-アデノシルメチオニンが合成されるから、気分がよくなる。メチオニンリッチの食べ物は、ダイズ、ゴマ、ヒマワリの種、カシューナッツ、シラス干し、カツオ節、マグロ、ヒラメ、キンメダイ、スジコなどの魚類である。
子どもたちには、このあたりとくに注意してあげよう。
ひとまず、おやつに種子類を活用するというのは、すぐにやろう。
●ビタミンとミネラル
・ナイアシン(B3)は、血糖値を安定化する効果があるだけでなく、トリプトファンを「幸福物質」セロトニンや「タイミング物質」メラトニンにモデルチェンジするのにも欠かせない。ナイアシンは、子どもの心を平安に保ち、頭を冴えさせ、夜の熟睡を助けるのである。ナイアシンは、レバー、玄米、マグロ、ホタテ、タラ、カキ、イカ、焼豚、アヒルなど、魚介類や未精製の植物類に多く含まれている。
・亜鉛不足のもっともはっきりした兆候は、て指の爪の白い線や斑点である。これは、ティーンエイジャーの男女に頻繁に見られる現象だ。
・もし、あなたの子どもが種子やナッツ類を食べられる年齢に達したら、手のひらにのるくらいのカボチャの種、ヒマワリの種、アーモンドなどの種子もまた、すぐれた「おやつ」になる。ポテトチップスの代わりに、果物、種子、ナッツ類を食べさせるのがよい。
・子どもの脳のはたらきを最大にするには、一日に500〜1000ミリグラムのPCが必要とされる。毎日、納豆や鶏卵、週に3日は魚介類、時々、モツ煮を食べるのがよい。
・子どもに必要なマグネシウムは一日300ミリグラムとされているが、その2倍にあたる600ミニグラムをとるのが望ましい。
アーモンドはやはりよさそう。
お菓子とジュースを買うお金があったら、良質の種子を与えたい。
白米好きだから、なかなか玄米や十六穀米に切り替えられないので、
なんとか工夫していかなきゃ。
●その他
・ペンランド博士の実験結果から推測できることは、もし、あなたがわが子の脳の栄養状態を最適にしようと願うのなら、栄養素を所要量レベルで摂取させるのは、間違いなく、不適当であるということだ。
ここをもう少し知りたい。
過剰摂取した場合の悪影響がわからないと、
どこまで摂取していいか素人には判断できないわけで、
このあたりを詳しく説明してくれる情報はないものだろうか。