経営者が語るべき「言霊」とは何か

リーダーの「言葉力」が企業を変える
トップが語る一言で組織は必ず甦る

ここに書かれていることは、
経営だけではなく、マーケティングやセールス、コピーライティングの本質にも通じる。
コピーの本質はコントロールやテクニックによる誘導ではなく、
相手の感情に直接うったえる言霊の力なのだということを、学んだ。


●ビジョン

経営者は、どのように「未来に対する洞察」を語るべきか。
端的に言えば、二つです。
「これから何が起こるのか」
「これから何をめざすのか」
その二つについての「洞察」を語るべきなのです。
新しい何かが生まれてくるという「生命的な現象」は、
カオスの領域とオーダーの領域のちょうど境界のところ、
過度の混沌でもない、過度の秩序でもない、
ちょうどその中間の領域で、起こる。
まさに「カオスの縁」の辺りで、起こる。
「ビジョン」というものの生命力も、また、
この「カオスの縁」にあるのです。

ちょうど今、私はライフワークというものについて考えている。
生命力あふれる、ワクワクする活動が何か、それを言葉にしたとき、
これは自然に、ビジョンになっているのだと思う。
経営ではなくとも、自分が自分の心に対して宣言する言葉、
それはヴィジョンなのだと思う。
●戦略

市場の環境というものを、
「山登り」における「地形」のようなものとして考えるよりも、
「波乗り」における「波形」のようなものとして考えたほうがよい。
「山登り」の戦略思考から、
「波乗り」の戦略思考へ。
ビジネスには、
「マネー・リターン」以外に、
「ナレッジ・リターン」
「リレーション・リターン」
「ブランド・リターン」
こうしたいくつもの「リターン」があります。

大きな企業の経営や、部下をもつマネジメントだけではなく、
これは、個人的な活動にも完全に当てはまる。
私は、マネー・リターン以外のリターンを意識しているだろうか。
●理念

経営やマネジメントの現場においては
「抽象的な理念」ではなく、
「具体的な物語」が求められるのです。
経営者は、「理念」を「理念」のまま語ってはなりません。
企業の現場の中に、
その「理念」を体現したエピソードや物語を
見出していかなければならない。
そして、
生み出していかなければならない。
「うちの会社には、この理念を体現した物語があるのか」
「当社の現場では、どういう象徴的なエピソードがあるのか」
「我が社らしい、個性的な工夫や取り組みをしているのか」

これもまた、企業内の経営やマネジメントの話だけではなく、
セールスレターを書くときの基本、
ジェイが言っている話と完全に一致していて、興味深い。
●意思決定

「決める」説得する」「責任をとる」
その三つができて、初めて、「意思決定」と呼ぶわけです。
部下が説得できない最大の理由は、
経営者の心の中にある、「迷い」です。

かつてセールスをしていた時の私に説得力がなかった理由は、
まさに、迷いがあったからだった。
責任をとる覚悟がないからだ。
●志

油断をすれば、我々は、
そうした「エゴの願望達成」に流されてしまいます。
そして、その「野心」を遂げるために、
社員や部下の尊い人生を費やすことになってしまうのです。

かつて私は、志ではなく野心をもつ起業家とともに歩き、人生の何年かを費やしたことがある。
三歳年上の彼とそしてそこに私のように集った仲間たちとの毎日は、
それなりに刺激的で、得るところもたくさんあったが、
なぜかいつも、しっくりこない感じ、利用されている感覚がぬぐえなかった。
むなしかった。
それが志ではなく野心だったために、ついに、その思いに乗っかることはできなかった。
今にして思えば、別の道なのだときづくまでに、かなりの時間がかかってしまったのは、
私の中にあったものもまた、志ではなく野心だったからなのだ。
私の中の野心が、彼のような人物との縁を引き寄せていた。
自分の中にあるそれが、志ではなく野心・エゴであることに気づくのに時間がかかっていたのだ。
彼は、それを学ぶための、鏡だったのだ。

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