ナレッジ・マネジャー7つの心得
Knowledge Management
10年位前、こういう仕事してたなぁと、懐かしく思いながら読んだ。
ただし今回は、企業内という狭い世界での情報共有という意味ではなくて、
これをもっとグローバルに適用した場合にどうなるのか、
そんな視点で読んでみた。
すると、これからの時代に欠かせない
高度な情報リテラシのヒントがたくさん書かれてあることに、
気づく。
やはり、自分は「企業」という枠じゃなくて、
少し広い場でこういうことをやりたいんだと気づいた。
この先数年で、企業という枠に雇用されて正社員で働くスタイルは、
きっと主流ではなくなっていくと、思う。
昔は、私もひとつの企業の情報システム部門の中で、
ナレッジマネジメントに関わってきた。
けど、ナレッジマネジメントというものは、
企業の中だけに留まるものではない。
ここにかかれてあることの本質は、
SNSやブログなどはもちろん、もっと大きく開かれた
インターネットコミュニティや、
あるいは現実世界での家庭においてでも、
十分に適用されるべき内容だと思う。
●最も重要なマインドセット – 共感の場
・「相互理解」が「共感の場」を生み出していくための極めて大切な条件です。逆に言えば、「共感」の反意語である「反発」や「嫌悪」の感情というものの大半は、相手を「誤解」することから始まります。
・また、こうして交換したウィークリー・メッセージは、決して、メンバー以外の者には転送しないルールです。自分の書いたメッセージが、どこの誰に読まれるかもわからないという感覚は、メッセージから率直さを奪ってしまうからです。
・しかし、一人のマネジャーとして、そのメッセージに心を開いて耳を傾けることはしますが、そのメンバーに対して何かアドバイスをするということはしません。ウィークリー・メッセージとは、そうした目的で行っているものではないからです。あくまでも、メンバー一人ひとりが、自由に自分の考えや想いを語り、自分を表現する場だからです。そして、他のメンバーは、ただそのメッセージに虚心に耳を傾けるだけでよいのです。「相互理解」とは、人為で生み出すものではありません。それは、自然に生まれてくるものなのです。多くの人々がそのことを誤解しているようです。大切なことは、職場のメンバーが自由に、そして自発的に、自分を表現できる場があることです。
・大切なのは「共感する」ことなのです。職場に「共感の場」が生まれてくるために大切なことは、マネジャーがメンバーの共感を引き出すことではなく、マネジャーがメンバーに共感することなのです。
田坂さんから送られてくる「風の便り」こそが、
まさにこのウィークリーメッセージ。
●情報共有の意味
・企業が情報システムを導入することの目的は、単なる「効率化」や「コスト削減」といった意味での「生産性」を高めることだけではないと思います。そうではありません。その目的は、むしろ「創造性」や「高付加価値化」といった意味での「知的生産性」を高めることにこそあると思うのです。
・マネジャーは、集まった「衆知」を十分に考慮したうえで、最後は自分自身の直観力や判断力にもとづいて、独りで意思決定をしなければならないのです。そして、恐ろしいことに、この「独りで意思決定をする」という場面で、そのマネジャーの力量が赤裸々に見えてしまうのです。
家庭において、
あるいは自分が運営する様々なコミュニティにおいて、どうか。
あてはめて考えると、いろいろな改善点が思い浮かぶ。
●企業外にも活用できる有効な方法
・ナレッジ・マネジャーは、データの「社内マーケティング」を行わなければならないのです。
・「呼びかけと挙手」という方法 / 「個人ホームページ」という方法
・同期入社の社員は、入社研修後、研究、開発、生産、営業、資材、人材、財務など、前者の各部門にバラバラに配属されるため、互いがそれぞれの部門で得た情報を交換することは「ギブ・アンド・テイク」が成立しやすいからです。
・アンケート調査に熟達しているマネジャーならば、かならずアンケート調査の結果だけでなく、アンケート調査の質問項目をチェックします。なぜならば、アンケート調査というものは、質問項目の配列順序や質問内容の表現のニュアンスによって、その回答結果が大きく違ってくるからです。したがって、熟練のマネジャーは、アンケート調査の結果に目を奪われる前に、アンケート調査の質問項目に目を向け、その配列順序や質問内容では回答にどのような「バイアス」がかかるかを推測します。
応用可能なメソッド、そしてアイデアがたくさん。
さっそく活用してみようと思う。
もちろん、企業内の話ではない。
●その他経営について
・残念なことに日本の企業には、こうした「差別化するための戦略」と「差別化されないための戦略」を明確に区別して論じるという思考スタイルがないため、経営会議などで「戦略」を論じるときには、しばしば無意識に後者の「差別化されないための戦略」を論じていることが多いのです。
・シリコンバレーでは、「ブレックファースト・カンパニー」という言葉があります。アントレプレナーやベンチャーキャピタリストが一緒に朝食をとりながらニュービジネスの話をし、面白いビジネス・アイデアが生まれると、その日の午後にはマニュファクチャリングのエキスパートやマーケティングのプロフェッショナルに声をかけ、夕方にはひとつのベンチャー・カンパニーが生まれているという話です。
・もし、日本の企業が「コスト競争」の世界だけに目を奪われたときには、最大の競争相手は米国企業ではなく、アジアの企業になっていくことは明らかです。そして、その「コスト競争」は、究極的には「どちらが人件費が安いか」「どちらが給与を下げられるか」という寂しい競争になっていくことを理解しておくべきです。いずれにしても、そうした競争の延長線上に、日本企業にとっての明るい未来はありません。