プロ研修講師の 教える技術

1対1から1対100まで
「相手を学ぶ気にさせる教え方」を大公開!
リーダー必携

平さんから送られてきた一冊。
偶然のもらいものの一冊には、きっと意味がある。
私も人に教える仕事、するようになるのかなぁ
という予感がした。
向いているのかも知れない。

●講師の仕事はまず「聴く」こと

・結局、先輩は、相手の話に共感しながら内容をまとめ、「それでは、御社の課題の○○や××を解決するために、最も有効な研修を提案させていただきますが、よろしいでしょうか。一週間ほどお時間をいただきたいのですが、来週の○日などはいかがでしょうか」相手の話をしっかり聴きながら、必要な項目を取材していたのです。

色々なところで言われる大原則。
とにかく相手の悩みを聞きだすこと。そこからすべてが始まる。
自分が話したいことを話すのではなく、相手が聞きたいことを話すのが重要なのだから、
聴くことなしにコンサルの仕事は始まらない。

●子育てとコーチングの共通点

・モンテッソーリ教師心得12条
1.環境に心を配りなさい
2.教具や物の取り扱い方を明快に正確に示しなさい
3.子供が環境との交流を持ち始めるまでは積極的に、交流が始まったら消極的になりなさい
4.捜し物をしている子供や、助けの必要な子供の努力を見逃さないよう、子供を観察しなさい。子供の喜びを大人の代行で奪ってしまわないように。しかし、助けが必要なタイミングは逃さずに。
5.呼ばれたところへは、駆け寄り、交歓しなさい
6.招かれたら、耳を傾け、よく聞いてあげなさい
7.子供のしごとを尊重しなさい。質問したり、中断したりしないように。大人の一方的な都合で、子供の仕事を中断したり、妨げたりしないように。
8.子供の間違いを直接的に訂正しないように。大人が思っている以上に子供はプライドが高いので、直接的に間違いを正すのではなく、子供自身に気づかせるように。また、間違わないように仕向けることもしないように。間違うことで学んで行くのだから。
9.休息している子供や、他人のしごとを見ている子供を尊重しなさい。仕事を無理強いしないように。
10.仕事を拒否する子供、理解しない子供、間違っている子供には、たゆまず仕事への誘いかけを続けなさい。9と10の子供の様子は、外見上は同じ様に見えますが、内面はまったく逆。これを見分けるためには、日頃から子供をよく観察していなければならない
11.教師を捜し求める子供には、そばにいることを感じさせ、感づいている子供には隠れるようにしなさい
12.仕事が済んで、快く力を出しきった子供を静かに認めながら現れなさい。決して安っぽい言葉でほめないこと。子供の心に安らぎを与えられるように。

結局のところこれがマインドセットになるのだ。
マネジメントと子育ては同じだ、という気づきがあったけれど、
マネジメントをもっと拡張すれば、コーチングやコンサルティングも、同じということになるのだな。
確かに。これは目からウロコだ。

●好奇心→学び

・「今、3歳になったばかりだよね。だったら、これから半年間で、何でもいいから1つ。ムチャクチャ興味を持つものをつくってぐらん。そうしたら、いい方法を教えてあげる」そして半年後。1人増えたタイガースファンを連れて、先輩ままのところに行ったそうです。「よかったわね。だったら、選手の名前は言える?」「鳥谷、金本、能見は知っています」「そう、なら、ひらがな、数字、ローマ字は大丈夫だね」

確かに。
コンサルタントがスモールステップ、マイクロステップを踏み出させるときの方法もそうだし、
比喩を使った説明をするというのも、これと同じだ。
そしてこれ、息子にもそのままつかえる。息子の場合は阪神ではなくてブーブ。

●コンサルが使う魔法の質問

・「聞き手の無言のツッコミに答えるように話せ」
・相手の口から言ってもらわなければなりません。
○○は大切だと思いますが、具体的にどんな点で大切なのでしょう?
そのために必要な知識には、どんなものがあるでしょうか?
具体的な知識やスキルとして△△、△△…などのうち、どれが必須のものだと思いますか?
というように、質問で流れをつくっていくのです。
・「○○を説明したい」と思ったら、必ず、「それを相手の口から言ってもらうにはどうしたらいいか。そのためにどんな質問をしたらいいか」と考える習慣をつけましょう。
・質問の手があがらないときはどうするか 「今日、学んだ○○について、もしあなたの職場で明日から実際に活用するとしたら、ちょっと困ってしまうことはありませんか」といったように、より具体的で、前提を含んだ質問を投げかけるとよいでしょう。
・「なるほど…、で、もし何の制約もなかったら、どうなっていたいでしょうか」と質問します。「何の制約もなかったら、どうなりたい?」 これは、魔法の質問です。
・質問には、言い回しの定石があります。その1つが、「もし○○だったら」という仮定法で聞く質問です。
・時間と空間を移動させる質問
<過去に時間を移動させる質問>
もし、今あのときに戻ったら、そこはどんな感じ。何が見える、何が聞こえる、何を感じる。
もし、あのとき○○だったら、今はどうなっていただろう
そのことから何が学べる。
今、あのときに感謝するとしたら。
<未来に時間を移動させる質問>
もし、何の制約もなかったら、どうなっていたい
もし、それが手に入れられたとしたら、そこはどんな感じ。何が見える、何が聞こえる、何を感じる
もし、実現したあなたから見たら、今のあなたはどう見える。
もし、何もこれからしなかったら、どんなふうになる
<他の人の視点に移動させる質問>
競争相手から見たらどうだろうか
あなたが理想とする○○さんだったら、どう見るだろうか
<価値観や状況の違う人の視点に移動させる質問>

この質問の技術は、子どもが勉強を教えてと言ったときによく使うのだけど、
いつも、まだまだ(親である私の)修行が必要だなと感じているところ。
上手なヒントというのは、つまるところこの「質問力」なのだ。
そこから発展させると、日ごろから上手なヒントをよく耳にしていた子どもは、問いの立て方のコツを学ぶことになるから、
とても頭のよい子になる可能性がる。という推測が成り立つ。

●相手に合わせて話す。タイプ別の誘導

・「でも、大人に教えるときは、ほめてはいけないよ。子供だったら『よくできて、偉いね』と言えばいいかもしれない。しかし、寺沢くんが、道行く高校生に『おじさん、一所懸命に働いていて偉いね』と言われて嬉しいかい」「なんだ! この野郎と思いますね(笑)」「そうだろう。そういうときは、こう言うべきなんだ。『○○さんの働いている姿を見て、僕はとても元気が出ました。ありがとうございます』わかるかな。『あなたがスゴイ』ではなく『あなたのスゴサが私に影響を与えている。学ばせていただいています。感謝しています』ということなんだ。常に敬意をもって接していれば、おのずからそうなるものだよ」
・大人にとって、自分のメリットだけを追求するのは、心苦しいものです。そこで、第一(自分)、第二(未来)のメリットだけでなく、この第三のメリット(まわり)を、意識してもらうとよいのです。大人には、大義名分が必要なときがあるものです(笑)
・「受験生には、三種類いる。それは、寿司だけ与えれば、自分で醤油をつける学生。寿司と醤油をこちらが用意すれば、自分でつけて食べる学生。そして、こちらが寿司に醤油をつけて口に放り込まなければならない学生の三種類だ」
・話しぶりに合わせること
<快の追求タイプには
「もし、これらができたらどんなに素晴らしいことでしょう。だからやりませんか」
<苦痛の回避タイプには>
「もしやらなかった、どんなに大変になることでしょう。だから今のうちにやりましょうよ」
<内的参照タイプには>
「あなた自身はどう思いますか」「あなたらしいのは、どちらですか」
<外的参照タイプには>
「○○の調査によると××ですが、どうでしょうか」「このことについて、お客様はどう思っているでしょうか」
<本人充実タイプには>
「この仕事によって、あなた自身はどんな利益を得たいですか」
<他者貢献タイプには>
「この仕事によって、だれが喜んでくれると嬉しいですか」

大人になるとこの「タイプ」があるけれど、子どもにも通じるものとしてはやはり、
Mr.Xから学んだ、「Whatタイプ」「Whyタイプ」「Howタイプ」の方かな。
それと、NLPでいうところの、体感覚タイプ、聴覚タイプ、視覚タイプ。
そもそもタイプ別に子どもに教えようという発想のない「学校」というところには期待できない話だ。
画一、統一、同一品質規格を作ろうという軍隊式授業には、このあたりは全く期待できない。

●テクニック

・イスの数は、ぴったり参加者分に合わせます。一人ひとりを迎え入れるという気持ちが大切だからです。
・教えるあなた自身の個性を出す ビジネスにおいては、すでに標準テキストが用意されていたり、使うべきマニュアルが決まっているものもあるでしょう。そんなときでも、紙一枚でいいのです。教えるあなた自身が作成したテキストを追加することをおすすめします。あなたらしさが表れます。
・会場のレイアウト 基本的には、机なし、イスだけのレイアウトをおすすめします。そのメリットは、
・部屋が広く使える
・「机に向かって対峙する」のと比べて、親近感が湧きやすい
・席替えが簡単にできる
・グループワークをするときなども、自由に組み合わせやすい(複数の場合)
といった点です。
・「愛するということは、互いに見つめ合うことではなく、一緒に同じ方向をみることだ」(サン・テグジュペリ)
・何回かに分けて勉強を続けなければならないとき、ポイントがあります。それは、ちょうどいいところで区切りをつけないということです。本を読むなら、第一章が終わったところでやめない。第二章に少しだけ入ったところでやめる。そうすることで、続き物のドラマのように、次への期待が深まる 次に読み始めたときに、途中からなのですぐ入れる 効果があります。

とくにこの、自身が作成したテキストを用意 というところがとても参考になった。
ただし、私自身は、教師のつくったプリントは「邪魔だなあ」と思うことが多かった。
それはおそらく、その教師が要点を理解しているかどうかに対する信頼の問題なのだと思う。
だから、三流あるいは経験の少ないコンサルが作る資料は、そうと感じさせないもの、
たとえば「質問集」のようなものだったり、プロフィールだったりと、要点をまとめたぞ的なものではない方がよいかも知れないと思った。

●パブリックスピーキング

・アウェイでなくホームに迎え入れる プレゼンテーションで他社に出かけるとき、「今日は、わざわざ、このような場に”お集まりいただき”ありがとうございます」と、ホームに迎え入れる形で話し始めたいものです。
・「まずは、場数だ」「いや〜、そう言われても困るんですが…」「寺沢くんは、本番前の準備段階で、何回リハーサルをしている?」このとき、しまった! と思いました。先輩の言っている場数とは、本番の回数ではなく、準備の回数だったのです。
・話のはじめ(オープニング)と、終わり(クロージング)だけは、セリフ(原稿)をしっかり決めておくのも有効です。
・ビデオに撮って自分で見る 「ふりかえる」方法の中では、実は、これが一番効果のある方法かもしれませんね。

私もこれは、そろそろ自分のこととして考え始めなくては。
ひょっとすると来年の今頃は講師になっているのかも知れないので。

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