ダイエット、甘い物好き、野菜偏重・・・が
脳の栄養不足を引き起こしていた!?
心が元気になる! 今日からできる最新栄養医学
前回と同じ著者の本をもう一冊。
確かに、うつと診断される人の何割かは、
じつはうつじゃないかもしれないと思う。
●うつの本当の原因
・職場での人間関係が原因でうつ症状になり、治療のためにしばらく職場を離れるというケースがある。この場合、環境を変えたことで、うつの主原因は取り除かれたはずだから、症状も改善するはずだ。しかし、思うように症状がよくならない、ということが珍しくない。この事実は、なにを意味しているのだろうか。これまで環境の問題が大きいと考えられていたうつの原因が、それ以外のところにあることを物語っている。
・その中学校は食育指定校になり、給食を見直すことになった。そこで、栄養士さんが白米を玄米に替えることを提案した。提案は受け入れられ、給食で玄米を出すことになったのだが、その結果、すごいことが起きたのである。それまでその中学校は荒れていて、ガラスは割られる、椅子は飛び交う、という状態だったのだが、玄米を取り入れてから次第に暴れる生徒の数が減り、平穏な空気に変わっていったというのだ。
同じ環境にいても、発症する人と発症しない人がいる。
これを遺伝的な問題として片付けるのは請求だ。
まずもっと他に考えなければいけない条件があると考えるのが自然。
今まで、食事(栄養)についてまったく考えられていなかったことの方が不思議。
●うつではなく低血糖症
・うつと誤診しれやすい低血糖症 じつはこの低血糖症こそ、一番うつに間違えられやすい栄養のトラブルなのだ。突然イライラする、漠然とした不安感に苛まれることがある、集中力が減退している、夜中に目が覚めることが多い・・・など、さまざまな不調を感じて精神科を受信すれば、おそらく、「うつ」、あるいは「不安障害」といった診断がくだされるに違いない。「甘い物を摂ると、気分が落ち着くんですけど・・・」と状態を説明したとしても、うつ症状とは関係ないとして診断に加えられることはない。だから多くのケースで、うつと診断されてしまう。ところが、じつは甘い物への渇望は、あきらかに低血糖症の状態を示しているのである。気分に変調があらわれるようになったら、低血糖症が関係しているのではないかと、疑うべきだろう。
・血糖値の安定が維持できないと、当然、脳に送られるブドウ糖も安定しない。脳にとっては一大事だ。そこで、血糖値が上がればインスリンが放出されるように、血糖値が下がりすぎれば、それに対応してさまざまなホルモンが働く。血糖値を下げるホルモンはインスリン一種類しかないが、上げるホルモンは多数存在していて、それらがさかんに働き出すわけだ。
・どういったホルモンが優位に出てくるかで、あらわれる症状は違うが、集中力がなくなったり、イライラや不安感が増したり、人によっては眠気をもよおしたり、手のしびれや動悸、頭痛を感じたり、筋肉がこわばったり・・・など、まさにうつと診断される症状が起こってくるのである。これが低血糖症である。ところが、低血糖症に関する認知は低い。
・たとえば、アドレナリン、ノルアドレナリンが急激に放出された場合は、動悸、手足のしびれ、筋肉のこわばり、あるいは頭痛といった症状があらわれる。精神的にはイライラしたり、不安感が募ったり、恐怖心にかられる。その人の性格にもよるが、なかには凶暴性が増すといった症状をあらわす人いる。血糖値が下がりすぎてしまうと、今度は脳にいくエネルギーそのものが減ってしまうため、集中力の低下、強い眠気、うつっぽい症状があらわれる。このタイプでさらに問題なのは、インスリンが遅れて出てしまい、しかも量が多いことだ。
しっかりと診断された人を別とすれば、
更年期障害であるとか、あるいは甲状腺関連の病気だとかも
それを疑う前に、まずは低血糖症を疑ったほうがよさそう。
清涼飲料水ばかり飲んでいる若者はキレやすい、
という話と根本は同じということだ。
●摂取すべきもの
・たんぱく質とビタミンB6は、神経伝達物質の二大重要アイテムといっていい。
・葉酸をたくさん飲むとうつ症状が改善するという報告もあり、葉酸とうつの関係をテーマにした書籍も出版されている。
・カタラーゼという酵素には鉄がたくさん含まれている。これは活性酸素を消す働きをする。だから、鉄が欠乏してカタラーゼが充分働けないと、日焼けをしたところがシミになりやすくなる。鉄欠乏が重度になると食嗜好が変わるというも特徴といえる。理由はわかっていないのだが、やたらに氷が食べたくなるのである。
・江戸患いは、ビタミンB1の不足による脚気である。原因は白米ではないかと考えられている。江戸では白米ばかり食べるようになって不足し、脚気に冒されたというわけである。私は江戸患いにはビタミンB1の不足だけではなく、低血糖症も関係していたのではないか、とひそかに睨んでいる。
・自然界ではこうした機能の低下も折り込みずみということなのだろう。人間以外の動物はすべて、ビタミンCを自らつくり出すことができるのだ。敵と戦い、敵から身を守ることはストレスとの闘いでもある。いつ襲われ、今度はいつ食にありつけるかわからない世界だ。種の保存のため、おそらくその”能力”を失わなかったのだろう。
・女性に多い肩こりや頭痛などは、鉄不足によることが多い。低血糖症の場合でも、血糖値の維持のために分泌される多くのホルモンは、筋肉をこわばらせ、さまざまな痛みの原因となる。
・「冷や奴にはネギとショウガは欠かせない」という人は、そこにぜひカツオ節を加えてみてほしい。カツオ節はプロテインスコア90の食材。植物性のたんぱく質である豆腐のアミノ酸バランスの欠点を補う働きをするというわけだ。
葉酸、ビタミンB、タンパク質、鉄分
多いような気もしたけど、覚えてしまえば少ないポイントだと思う。
●摂ってはいけないもの
・加工食品やスナック菓子の問題点は、ひじょうに糖質の割合が多いことだ。糖質の摂取が多くなると、人間の身体はインスリンというホルモンをせっせと出して血糖値を安定させようとする。このときに使われてしまう栄養素が、先ほどお話しした亜鉛だ。亜鉛欠乏は、たんに亜鉛が足りないだけでなく、食べたものによって亜鉛が目減りしてしまうことにも原因があるのだ。同様に、ビタミンB群も、加工食品やスナック菓子を食べることによって、必要以上に消費されてしまう。
・スナック菓子などに多く含まれている食品添加物のリン酸も見逃せない。リン酸にはミネラル類の吸収を阻害する働きがある。
結局のところ、現代人は
スナック菓子と甘いジュースを大量に投与されて、
企業に精神病にされたということなのかもしれない。
これって、アヘンの時代とあまりかわらない気がする。
早くこの洗脳の世界から抜けなければならない。
●摂取方法・吸収条件も考慮する必要あり
・酵素食品を食べたり、酵素を飲んだりしても、消化の過程で分解されてしまい、体内に入ってくるときにはアミノ酸のかたちになっている。酵素食品で狙った通りの効果を期待するのは難しい。
・問題はそれほど単純ではない。いくらたんぱく質をたくさん含んでいる食材でも、それがそのままの状態で体内に取り込まれるわけではない。じつは、調理法や食べ合わせによって、体内に取り入れることができるたんぱく質の量は違ってくるのである。
・栄養素は単独で働くのではなく、いろいろなパートナーシップのもとで機能を発揮している。「身体にいい」という栄養素を単独摂取するのではなく、それが体内で有効に働くための”条件”を意識することが大切だ。しかし、一般に流通しているサプリメントでは、そのことを意識されていないのが現状である。
・問題なのは、一般に出回っているサプリメントは、この基準をもとに摂取の目安を設定しているということだ。ほとんどの人は、食事では摂れない栄養素を十分に補おうとして、サプリメントを利用しようと考える。ところが、マルチビタミン・ミネラルといったサプリメントは、厚生労働省基準のリストを参考にしているから、心身に必要な栄養素の量は必要最低限でしかない。「これだけの栄養を摂っていれば、心も身体も元気で最高の状態を維持できる」というレベルではないのである。栄養療法では、一般にいわれている栄養の摂取基準を大幅に上回るのである。
・ライフスタイル別の栄養摂取量(対厚生労働省の「食事摂取基準」)
デスクワーク・パソコン操作が多い→ビタミンB群 10倍以上
汗をよくかく、生理がある→鉄 5倍以上
サプリのとり方も、ちゃんと自分で考える。
摂り過ぎると毒になるものが何かを把握してさえいれば、
多少取り過ぎるぐらいでちょうどいいのかもしれない。
●コレステロール
・人間ドックを受けて低コレステロールだった人は、うつの割合が高いという報告もある。出産後にうつ症状を訴えることを「産後うつ」というが、出産後コレステロール値が急激に下がることがうつを引き起こしているのではないかと考えられ、ここでも低コレステロールが関連していることがわかってきている。
痩せ体質の人との相関は、こういうところにあるのかもしれない。
甘いものばかり食べて低血糖症になるのもまずいし、
甘いものを控えるのではなくて、コレステロールが不足しすぎることで、
つまり痩せすぎてうつになるのもまずい。
バランスが大切ということ、なんだろうな。