最高のリーダーは何もしない

The Real Essence of Visionary Leadership
1000人の社長たちから聞いた6つの発想転換
内向型人間が最強のチームをつくる!
「経営者・管理職」から「チームリーダー」まで役立つ!

 

⚫︎ビジョン型リーダーシップの必要性

従来のトップダウン型リーダーシップだけでは「遅すぎる」のです。めまぐるしく移り変わる複雑なニーズに対応していくには、現場にいるメンバーたちが自律的に動き、個別に対応するほかありません。

メンバーがワクワクして自ら動き出すような目的を提示し、現場に任せるのが新しいリーダーシップのかたちです。

カリスマ型リーダーを全否定し、ビジョン型リーダーだけを肯定したいわけではありません。「強いリーダーシップを発揮できる素地を持ちながらも、平時にはビジョン型に徹する」というように、状況に応じて両方のリーダーシップを使い分けられる人こそが、理想的なリーダーです。

「社長トーク」に出演いただいた経営者の方々を見ていても、いまは「人をついてこさせる」とか「メンバーを使う」といった、ある種の「上から目線」を連想させるような言葉遣いをする人はまずいません。

リーダーには次の2つの能力が求められます。
①メンバーが共感して自ら動きたくなる、魅力的なビジョンをつくる力
②ビジョンをメンバーにしっかりと伝えて浸透させる力

ビジョンの伝達には、周到に用意された演出や高度なプレゼン技術は不要です。それよりも、ビジョンを意識する機会を「いかにたくさん」日常のなかに盛り込めるかが重要なのです。

リーダーにとって、メンバーの能力の有無は2番目3番目の問題なのです。重要なのは、ビジョンに共感できるかどうか。さもなくば、能力があっても必要なメンバーとは言えません。冷酷に思えるかもしれませんが、そうした「選別」もビジョン型リーダーシップには必要なのです。

本当に大きな仕事を成し遂げるリーダーは敵をつくらないようにしているし、それ以前に、まわりの人に対する愛情や感謝を忘れないということです。

「どこまで広く任せて見守ることができるか」が、「どこまで高いポジションのリーダーを務められるか」を決定づけているのです。

カギは、ビジョンを伝える仕組み

 

⚫︎必要な人材

組織のメンバーとして、素直に仲間の声に耳を傾けたり、素直にチームの価値観を理解したりしようとする人柄が、チームの結束には不可欠とのこと。経験がなくても素直さがあれば、どんなことでも吸収でき、成長の可能性は無限大となります。実は、多くのリーダーが、この「素直さ」を持っているのも事実です。

組織・チームにおける女性メンバーというのは「炭鉱のカナリア」、つまり、組織の空気の悪化をいち早く知らせてくれる存在です。女性たちは職場で抱いた違和感などを、率直に言葉にすることが多いように思います。リーダーはこうした女性の声に耳を傾けることで、いち早くチーム内の不協和音に気づくことができます。

不満を解決するためのアイデアも語ってもらうことで、「炭鉱のカナリア」から「炭鉱で共に働く仲間」へと女性たちにキャリアアップしてもらえるよう、リーダーは配慮すべきです。

日本人起業家のあいだでも、「求人を出すときには、金銭的な報酬だけを提示するのではなく、社会的意義をしっかりと示したほうが、優秀な人材が応募してきてくれるようになった」という話を聞いたことがあります。

とてもとても大切なところ。